人手不足が深刻化し、より一層の生産性向上が求められる現代において、自動化や省人化にコンベアラインは不可欠です。その心臓部とも言えるのが、製品を支え、動かすコンベアローラーです。一見単純な部品に見えますが、その設計思想と設置精度が、ライン全体の生産性、静音性、さらには製品品質までを左右する、極めて重要な要素です。

標準品の組み合わせだけでは解決できない

市場には多種多様な標準ローラーが存在しますが、それらをただ並べるだけでは、お客様が抱える真の課題は解決できません。「搬送中に製品が傷つく」「特定の箇所で詰まりが発生し、ラインが停止する」「耐えられないほどの騒音や振動が発生する」といったトラブルは、決して些細な問題ではありません。これらは、生産稼働率の低下、不良率の増加によるコスト増、そして労働安全衛生に関わる職場環境の悪化に直結します。これらの根深い問題の多くは、搬送物とローラーのミスマッチ、そしてライン全体の設置精度に起因しています。

搬送物に合わせた最適なローラーの設計が重要

当社は、お客様が運ぶ製品の重量、形状、材質、そしてラインの速度までを詳細にヒアリングし、最適なローラーを一つひとつカスタムで設計・製作することが可能です。材質選定一つをとっても、選択肢は無限です。重量物に対応するスチール、製品への傷つきを防止し静音性にも優れる樹脂、電子部品の搬送に不可欠な導電性素材など、用途に応じて最適なものを選定します。

しかし、どんなに高性能なローラーも、正確に設置されなければその真価は発揮されません。私たちの真の強みは、その後の「据付」にあります。長年アジャスターパーツメーカーとして機械の足元を支えてきた私たちは、完璧な水平・垂直の重要性を熟知しています。その精密な高さ調整技術とノウハウを応用し、コンベアフレームのレベル出しやローラー間のアライメントを、他社には真似のできない精度で完璧に行います。

例えば、フレームに僅か1mmの歪みや高さのズレがあるだけで、搬送物は片側に寄り、詰まりや脱落の原因となります。ローラーの向きが不正確だと、無用な摩擦が生まれ、エネルギーロスや部品の早期摩耗に繋がります。私たちは、設計から製作、そしてこの精密な据付までを一貫して手掛けることで、カスタム設計したローラーの性能を100%引き出し、滑らかで静粛、かつ安定した理想の搬送ラインを実現します。