技術情報

  1. HOME
  2. 技術情報
  3. アジャスターボルト
  4. アジャスターボルトの種類

アジャスターボルトの種類

工場の機械設備、研究室の精密機器、オフィスの什器、さらには厨房機器に至るまで、様々な場所でモノを支え、その水平を保つために不可欠な部品がアジャスターボルトです。機器の脚部に取り付けて高さを微調整し、ガタつきをなくしたり、床面の凹凸を吸収して水平を出したりする重要な役割を担っています。一見すると単純な部品のように思えるかもしれませんが、実は使用される環境や支えるモノの重量、求められる機能によって、驚くほど多くの種類が存在します。

① 通常荷重タイプ

最もスタンダードで、幅広い用途で使用されているのが通常荷重タイプのアジャスターボルトです。主な役割は、機器や什器の高さ調整と水平出しです。構造は比較的シンプルで、ボルト(ネジ部)と受け皿(ベース部)で構成されています。材質は、コストパフォーマンスに優れたスチール製から、耐食性が求められる場所で使用されるステンレス製まで様々です。受け皿の材質も、金属製のほか、床面を傷つけにくい樹脂製(ナイロン、ポリアミドなど)のものもあります。

②重荷重タイプ

通常タイプでは支えきれない重い荷重に対応するために設計されたのが、重荷重タイプです。工作機械や産業用ロボット、大型のサーバーラックなど、数トンにも及ぶ重量物を支える必要がある場合に使用されます。通常タイプに比べ、ボルトの直径が太く、受け皿も厚く頑丈な金属で作られています。受け皿の底面積を大きくしたり、補強リブを設けたりすることで、大きな荷重を安定して受け止め、分散させることができる構造になっています。耐荷重性能が非常に重要なため、選定時には必ず最大荷重を確認する必要があります。

③ 軽防振タイプ(ゴム付き)

受け皿の底面にゴムやエラストマーが貼り付けられたタイプです。これを軽防振タイプと呼びます。このゴムがクッションの役割を果たし、機器から発生する振動が床面に伝わるのを軽減したり、逆に床面からの微振動が機器に伝わるのを防いだりする効果(防振・除振)があります。また、ゴムの摩擦力によって機器の滑り止め効果も期待でき、床面を傷つけるのを防ぐ役割も果たします。

④ 受け皿・小径タイプ

設置スペースが限られている場所や、機器のデザイン性を損ねたくない場合などに選ばれるのが、受け皿の直径が小さい小径タイプです。 脚部が細い什器や、狭いスペースに複数の脚を設置する必要がある場合などに有効です。ただし、接地面積が小さくなるため、単位面積あたりにかかる床面への圧力が高くなる傾向があります。そのため、耐荷重性能や床面の材質には注意が必要です。

⑤ ロングタイプ

ボルト部分が通常よりも長く設計されているタイプです。床面に大きな凹凸や段差があり、通常のアジャスターボルトでは調整範囲が足りない場合に使用されます。機器の設置高さを標準よりも大幅に上げたい場合にも用いられます。ただし、ボルトが長くなるほど、強度が低下する可能性があるため、耐荷重や設置環境を考慮して選定する必要があります。

⑥ 重荷重+ベアリング付タイプ

前述の重荷重に対応する堅牢な構造に加え、ボルトの回転部分や受け皿との間にベアリングを内蔵した高機能タイプです。 非常に重い荷重がかかった状態では、摩擦抵抗が大きくなり、ボルトを回して高さを調整するのが困難になります。このタイプは、ベアリングが荷重を受けながらスムーズな回転を助けるため、重量物を載せた状態でも、比較的小さな力で精密な高さ調整(レベル出し)が可能になります。

⑦ 壁面用タイプ

一般的なアジャスターボルトが床面に設置するのに対し、壁面への取り付けを想定して設計されたタイプです。 L字型のブラケットとアジャスターボルトが一体化した形状や、側面に取り付け穴が設けられた特殊な受け皿を持つものなどがあります。機器を壁際に固定する際のレベル調整や、壁面に取り付ける棚や装置の水平・垂直出し、転倒防止の補助などに使用されます。

⑧ 首振りタイプ(傾斜地用)

受け皿部分がボルトの軸に対して、一定の角度(例えば±10°~15°程度)で傾斜する機構を備えたタイプです。設置場所の床面が平坦ではなく、傾斜していたり、凹凸があったりする場合に真価を発揮します。通常のタイプでは受け皿の一部しか接地せず不安定になりますが、首振りタイプは受け皿全体が床面の傾斜に合わせて密着するため、荷重を均等に分散させ、機器を安定して設置することができます。

⑨ ハイジェニックタイプ

食品加工工場、薬品・化粧品工場、クリーンルーム、厨房など、特に高い衛生管理が求められる環境向けに設計されたタイプです。 材質には、耐食性・耐薬品性に優れたステンレスが使用されることが多く、表面は汚れが付きにくく洗い流しやすいように滑らかに処理されています。また、ネジ部や隙間に汚れや水が溜まらないよう、段差を極力なくしたり、清掃しやすい形状に工夫されたりしています。ボルトのネジ山を隠すカバーが付いたものもあります。

⑩ アンカー止めタイプ

受け皿部分に、床面に固定するためのアンカーボルトを通す穴が開いているタイプです。アジャスターボルトでレベル調整を行った後、アンカーボルトで床とアジャスターボルトを強固に連結・固定します。これにより、地震時の転倒防止や、振動の激しい機械が運転中に位置ズレするのを防ぐことができます。耐震性が求められる場所や、重量物が移動・転倒すると危険な場合に必須のタイプです。

最適なアジャスターボルト選びが品質と安全を支える

このように、アジャスターボルトには、耐荷重、防振性、設置場所(床面、壁面、傾斜地)、衛生管理レベル、固定方法など、驚くほど多様な種類と機能があります。機器や設備の性能を最大限に引き出し、長期間安全・安定して使用するためには、これらの特徴を正しく理解し、用途や環境に最適なアジャスターボルトを選定することが非常に重要です。

当社では、アジャスターボルトの特注製作も承っております。専門メーカーとしての豊富な知識と経験に基づき、お客様の細かなご要望や課題をヒアリングし、材質、形状、機能など、最適な仕様をご提案させていただきます。「こんな機能は実現できないか?」「この環境に耐えられるものはないか?」など、アジャスターボルトに関するお困りごとがございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせください。

ご相談・お問い合わせ

製品に対するご質問・お見積もり・ご要望などは、こちらから気軽にお問い合わせください。